舞台観劇『遠い夏のゴッホ』

キティエンターテイメント×東映 Presents
「SHARNER of  WONDER#6 『遠い夏のゴッホ』」

この作品は2013年に松山ケンイチさんが初演をされた舞台で、今回キャストも新たに再上演されました。

本日の大阪公演をもって千秋楽を迎えたのですが、DVDにもなりますし今後再演もあるかもしれないのでネタバレはちょっと・・・という方はこのままbackでお願いします。

この作品、登場人物に人間はいません

主人公はセミのゴッホで、その他もアリ・ハチ・カブトムシ・クワガタ・カマキリ・クモ・チョウ・カエル・トカゲ・ミミズなどなど、昆虫や爬虫類たちなんです。

ストーリーはセミの幼虫であるゴッホと幼馴染のベアトリーチェ。
この二人(?)が1年後の夏、地上に出たら本物の恋人になろうと約束を交わします。
しかし、ゴッホは自分が生れた年を1年勘違いしてしまっていたのです。
ベアトリーチェより1年早く羽化してしまったゴッホは、約束を果たすために冬越えに挑みます。

セミの生態を調べた所、セミは7年くらい土の中で幼虫として過ごし、羽化して地上に出て来てからは1ヵ月ほどの命だそうです。
これはアブラゼミの検索結果で、今回の主人公はユウダチゼミなのでまたちょっと違うのかもしれませんが、セミとなってからの命が短いことには変わりありません。

私は1週間くらいだと思っていたので、意外と長いじゃんなんて思ってしまったのですが💦
セミの生態の話は子供の頃に聞いた事があって、昔からセミを見るとなんだか切ない気持ちになったものです。

森の生き物たちの生態や食物連鎖。
そして不可能とも言えるゴッホの冬越え。

体の変化、心情の変化、世界の変化。とてもスピーディーに、だけどとても丁寧にその変化が描かれていました。

西田シャトナーさん演出の作品を観るのはこれが初めてだったのですが、お話に聞いていたパワーマイムの意味がよくわかりました。代表的なのがカメラワークと言われるもので、テレビや映画の様に大きく映しだされる映像ではないのに、舞台上の役者さんの動きでここまで世界が立体化するのかと驚きました。そしてスイッチプレイと呼ばれるもの。1人1役ではなく、1人の役者さんがいくつもの役を演じます。たとえばトカゲの前足だったりw 同じ役者さんが違う役を演じているのに、今なんの役をやっているのかと混乱することもなく最後まで途切れずに作品の世界に引き込まれました。

虫のお話?って最初はどうなんだろうと思っていたのですが、見事な愚人化でした。人間目線で見ていたのか、虫目線で見ていたのか。

夏の朝、特に今くらいの季節になると、耳を劈くうわんうわんうるさいセミの鳴き声にうんざりしていましたが、劇場を出た後に聞いたセミの鳴き声はなんだかとても切なかったです。

命って儚い。そして尊い。

やっぱりお芝居は面白いです。またひとつ、いい作品に出逢えました。

今回ランガン3人が勢揃いしているというのも、かなり自分得でした♡

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